▲ 天白・元屋敷遺跡の空中写真〔加筆あり〕(クリックで広域の写真)
「天白・元屋敷遺跡考」について、以下のように補訂します。
まず、中世居館について、それまでに発表されている数値を尊重し、60m規模の場合と100m規模の場合とを考えてきましたが、筆者が空中写真で見てきた区画は、地図上で採寸すると東西約100m、南北約110mを数えることがわかりました。よって筆者は、今後100m規模のみを想定したいと思います。この数値は、東側の濠(後述)の外側での大きさになります。志段味の自然と歴史に親しむ会会報に掲載する際は、この点を修正し、改稿する予定です。
次に、掲載した「写真1 (略)下:天白・元屋敷遺跡(1)」について補足します。
赤色の点線で囲った区画が、想定した居館の輪郭です。区画の右側、縦長に白く見える部分が、濠の痕跡ではないかと思われます。
「大きな長方形状の区画の左下方に、小さい正方形状の区画が見える(2)」としたものには黄色の輪郭を記しましたが、南側がよくわかりません。
居館の西側を、旧河道が北東から南西にかけて走っています。その北東に「すいり(3)」と呼ぶ場所があり、「水利」の字をあてていますが、「砂入り」の意ではないでしょうか。だとすれば、名前が残っていることと、痕跡が明瞭なことから、比較的新しい時期(江戸時代?)の河道と思われます。
なお、この東方に「びぎゃあてん(4)」と呼ばれる場所があります。「弁財天」の字をあてていますが、大きな長楕円形の区画の中心に位置しており、これもまた何らかの施設の痕跡かもしれません。
注
「天白・元屋敷遺跡考」のPDFファイルを、2015年1月10日、天白元屋敷遺跡発掘調査現場見学会と説明会で配布した新版に差しかえました。