天白・元屋敷遺跡について考えていることをまとめ、志段味の自然と歴史に親しむ会の会報に寄せるよう、11月7日に世話人の櫻井隆司さんから依頼があった。12月中の刊行予定、12月5日締め切りで、12月1日に脱稿、入稿したが、櫻井さんの了解をいただいたので、先行して本サイトで公開することとした。近日発行の親しむ会会報に掲載される予定である。
天白・元屋敷遺跡考
Consideration of the Tempaku-Motoyashiki Site
【要旨】
本稿では、最近の調査で検出されている中世居館が、これまで不確かだった志段味城である可能性を指摘するなど、天白・元屋敷遺跡を、次の諸段階に整理した。
1) 弥生時代後期後半の内乱受容における、既存の「吉根・神領の交差点」の戦略的要素に対応した東谷山山頂遺跡の形成と、天白・元屋敷遺跡における何らかの活動の形成。
2) 東谷山山頂遺跡の超絶性の定着としての、天白・元屋敷遺跡の祭祀遺跡的性格の形成と、東谷山の古墳群形成。
3) 天白・元屋敷遺跡における、寺院、官衙など政治・経済・文化的中心性の形成。
4) 中世の居館─志段味城の形成。
5) 近世・近代・現代における特殊性の後景化、普通性の前景化。(この項未定。)
「天白・元屋敷遺跡考」の補訂をしました。下記URLでご覧ください。(2014年12月21日)
http://archaeologyscape.kustos.ac/2014/12/21/
2015年1月10日、天白元屋敷遺跡発掘調査現場見学会と説明会で配布した新版に差しかえました。
「天白・元屋敷遺跡考」の最終版が『私たちの博物館 志段味の自然と歴史を訪ねて』第66号に掲載されました。そのため、こちらに掲載していた未定稿版を削除します。