与えられる / 取り上げられる

志段味大塚古墳 2014年8月19日
▲ 志段味大塚古墳 2014年8月19日

天白・元屋敷遺跡 2014年8月19日
▲ 天白・元屋敷遺跡 2014年8月19日

立秋、蒙霧升降の候、志段味大塚古墳の発掘調査現場と、天白・元屋敷遺跡の発掘調査現場とを見る。かたや、公有地化され見世物となる古墳。こなた、宅地やユニー用地のために掘り尽くされ消滅する遺跡。志段味大塚古墳は虚飾(「尾張氏」「倭王権」・・・)されてますます富み、天白・元屋敷遺跡はすべて奪われて貧する。

おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう(1)

For whosoever hath, to him shall be given, and he shall have abundance: but whosoever hath not, from him shall be taken away even that which he hath(2).

国-名古屋市教育委員会は、かたや近代の生権力として、こなた近代以前の権力として現前する。すなわちこれ、ダブルスタンダード哉。二枚舌哉。自家撞着哉。

  1. 『新約聖書』「マタイによる福音書」第13章
  2. New Testament; The Gospel According to St. Matthew
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「歴史の里」所感

古墳は、千数百年の時間をこえて今日まで伝えられてきた。多くが失われたなか、現前するそれは奇跡である。その古墳を、百年、千年と伝えてゆく義務を私たちは負っている。文化財保護は、そのために整えられた近代の思想と実践である。

「歴史の里」計画は、百年、千年と上志段味の古墳を伝えてゆくことができるだろうか。この義務の遂行に耐えうる制度設計であろうか。地球上の、長い歴史をもつ公園は、人工物であふれることはない。無論のこと刹那的でない。いまの「歴史の里」計画は、実現されてもじきに廃れるであろう。上志段味の町の品格をも損なうだろう。

現前する上志段味の古墳が、千数百年にわたって遺されてきた、それを擁する社会の仕組みは分析されたか。その仕組みに沿って、「歴史の里」は構想されるべきである。それと無縁に、上志段味の古墳を、流行病のごとく処してはならない。「動きすぎてはいけない」。

私たちは、人類史、自然史の理(ことわり)に即して、上志段味の古墳を保存し活用しなければならない。名古屋市教育委員会の猛省と再考を求める。

参考: 「古墳発掘体験」に反対する

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上志段味歴史の里呪いの里

「呪いの人形(1983年4月11日撮影)」深田虎太郎「中世甕棺墓と呪いの人形」『私たちの博物館 志段味の自然と歴史を訪ねて』創刊号、志段味の自然と歴史に親しむ会世話人会、1985年8月30日、20頁。
▲ 「呪いの人形(1983年4月11日撮影)(1)

31年前、呪いの藁人形に遭遇した。場所は、名古屋市守山区上志段味の東谷山上。尾張戸神社北西側、東谷山中世墓の上に設けられた小建屋のまわりを進んだとき、目の前に人形が突然現れ、私は肝を潰した。生々しかった。

以下は、同道の人による記録。

甕棺墓の時代はともかく祠の東南の角の柱に、呪いの藁人形が多数の釘でしっかりと打ちつけられているのには、すくなからず驚かされてしまった。
N大学I教授の講義を引用すると、アメリカの呪術学者フレーザーの学説によれば、呪術には3種類があり、類感呪術、感染呪術、意志呪術、藁人形などは最後の意志呪術に属するものであると教えられた。のろいを唱えながら暗夜に1人多数の釘を打ちこみ、最後に5寸釘を人形の心臓に当たる箇所に打ち込むのが呪いの藁人形のパターンである。
藁人形の実測値―頭から足の先まで全長19.5cm、足の部分で3cm、手を広げだ幅が13cm、打ち込まれている釘の数―頭部54本、左右の手に14本、胴9本、左足8本、右足9本、それに心臓部に1本大釘が打ってあり、ほとんど人形の全身にすきまなく打ってあるが、釘の深さがまちまちであまり上手な仕上げではないようである。藁は昨年とり入れたときのものか? 古くとも1昨年ではないかと思われた。それによって造られた時期がおおかた推定出来る。
釘の総数95本、発見日時昭和58年4月11日午前11時頃。当日は午前中くもり午後から又雨となる(2)

当時は、誰かが個人的な恨みをはらすためにおこなったものだろうと思ったが、1983年といえば志段味・吉根地区で区画整理事業が具体化していた時期。4地区最初となる吉根の土地区画整理促進区域決定が1983年3月25日、組合設立認可が1984年3月30日であった。個人にとどまらない、社会的な恨みがあったのかもしれないと、いまは思える。人口増とともに増える犯罪、それにともなう警察巡回の増加。2011年9月、台風15号の影響による吉根・下志段味・中志段味の洪水被害・・・。そうでなければよいが。

それにしても、アミューズメント(おかしさ、おもしろさ、慰み、楽しみ、気晴らし・・・)で古墳を掘ってはいけない。
「呪いの人形(1983年4月11日撮影)」深田虎太郎「中世甕棺墓と呪いの人形」『私たちの博物館 志段味の自然と歴史を訪ねて』創刊号、志段味の自然と歴史に親しむ会世話人会、1985年8月30日、20頁。

  1. 深田虎太郎「中世甕棺墓と呪いの人形」『私たちの博物館 志段味の自然と歴史を訪ねて』創刊号、志段味の自然と歴史に親しむ会世話人会、1985年8月30日、20頁。
  2. 同論文、19-20頁。
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「古墳発掘体験」に反対する

『中日新聞』第25575号、中日新聞社、2013年12月17日、1面。
▲ 「市民も古墳発掘体験/守山で全国初 整備計画」『中日新聞』第25575号、中日新聞社、2013年12月17日、1面。

12月17日付中日新聞朝刊1面に「市民も古墳発掘体験/守山で全国初 整備計画」の文字が躍った。

片言隻句をとらえての、さまざまな批判が可能である。それらはすべて正しいだろう。悟性的に。どなたかの全面展開を切望する。

では理性的にはどうか。「歴史からなにも学ばない人たちによる、歴史からなにも学ばない人たちの再生産」。そう直観的に仮説し、後考する。それにしても、赤塚次郎以降愛知県のポストモダン考古学の徒花のようで、痛く、ウザイ。

同記事を受けて取り急ぎおこなったツイートは、古い方から順に、以下のとおり。

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